★2005/03/09 Wed 今更ながら、ジョン・レノンから受けた衝撃。 |
日本では映画「オペラ座の怪人」が人気を博しているようですが、まだそれを見ていない僕は、先日図書館からビデオを借りてきて、「ジョン・レノン/イマジン」というドキュメンタリー映画を見ました。まぁ僕は世代的にも、ビートルズやジョン・レノンの歌はなんとなく知っていても、彼が一体どんな人で、どんな状況で、どんな作品を作ったのかは全然知らなかったので、この映画はとても新鮮で、そして衝撃でした。聴きやすい綺麗なメロディーに乗せて、あんなにも自分の内面をさらけ出す歌を歌った人はいなかったのではないでしょうか。内面をたださらけ出すだけではなく、曲と歌詞とパフォーマンスのバランスもすごく取れていて、間違いなく、彼は天才ミュージシャンであり、真のアーティストだと思いました。表現者として特別な才能があったように見えました。 そしてオノ・ヨーコさん。あの時代に、あんなにもモダンな感性を持ち、意志が強くそれでいて繊細で、あんな綺麗な英語を話す日本人女性がいたなんて! 今、僕が少し英語を話せるようになったせいで、この映画をすごく深く入り込んでとらえることができました。こんな時、やっぱり英語って世界の共通語なんだな〜って思います。 実は最近、クラシックのほうでも古い録音や映像にハマっていて、それを見たり聞いたりする度に、今では技術も進歩して世の中も自由になって、なんでも手に入るようになったけど、今の僕らが逆立ちしても手に入れられないような何かを、昔の人たちは持っていたんじゃないかな〜と、その演奏と音色から感じております。 最近の僕のお気に入りのDVDは、チェロのフルニエ、ジャンドロン、ピアティゴルスキー、ヴァイオリンのオイストラフ、シェリング、ハイフェッツ、ピアノのルービンシュタイン、アラウなどです。シュタルケル先生はこの世代に入る現役の最後の1人かもしれません。そんな先生のチェロの音を目の前で毎週聞いていられるとは、僕は幸せもんです。 |
★2004/11/02 Tue クラム氏の前でクラムを弾く(その2=続き)。 |
<続き> リハーサルを重ねる毎に僕はこの曲が好きになっていったのですが、コンサートを数日後に控えたある日のリハーサルでの事。 僕はヴァイオリンのテレサと二人でリハが始まるまでの間、客席にお尻を向ける形で練習をしていたのですが、ふと気付いたら僕らの背中にニコニコしたかわいい老人が立っていて、「ハロ〜、アイム、ジョ〜ジ」と僕らに手を差し出しました。その日のリハに既にクラム氏が来ていることを知らなかった僕らは、それがクラム氏だと分かるまでに一瞬停止していたことをここに告白しなくてはなりません(しかも僕らは彼の顔を知らなかったのです・笑)。それにしても、終始笑顔の絶えないなんとニコやかで素敵なおじいちゃんなのでしょう! ホンモノのクラム氏を前にして、僕がそれまでに勝手に抱いていた世界的大作曲家ジョージ・クラムの想像図―その顔に笑顔などなく、見るからに偉そうで気難しそうな老人という―は、見事に崩れ去りました。 その後、氏はリハーサルの間も僕とテレサの間に座って、終始ご機嫌でいろいろなアドヴァイスをして下さいました。 コンサート当日、僕らの「ドリーム・シークエンス」はとても良い出来だったと思うし、それ以外の全員でのアンサンブルの作品(エリオット・カーター&デビッド・ズベイ)でも、ひたすら拍を数えながらの演奏というスリルを楽しみました。終演後のパーティーでもクラム氏は終始ご機嫌で、ここぞとばかりにちゃっかりとサインゲットと、写真など一緒に撮っていただきました(アルバム参照)。 さてこのニュー・ミュージック・アンサンブル、弦楽器は弦楽四重奏+ベースの5人だけで、総勢でも20人弱しかいません。チェロはもちろん僕だけか〜なんて思っていたら、なんと今回はアジア人が僕だけでした。現代音楽を演奏すること自体には、僕自身まだまだのめり込めない部分もありますが、今はこのグループもメンバーたちもすごく好きだし、演奏することをとても楽しんでいます。これで訳の分からない理解不能な曲がなかったら良いんだけど、この頃は、次のコンサートに向けて、僕にとっては今現在100%理解不能な曲を日々リハーサルしております。いつか理解できる日は来るのか〜??? |
★2004/11/02 Tue クラム氏の前でクラムを弾く(その1)。 |
さてさて、去る10月14日に、僕が今入っているインディアナ大学のNew Music Ensemble(現代音楽専門の演奏グループ、以下略してNME)の今年1回目のコンサートがありました。プログラムはもちろん現代音楽ばかりなのですが、今回のコンサートはちょっと特別でした。それは、現代音楽の巨匠で世界的な作曲家のジョージ・クラム(George Crumb)氏が来たことです。 クラムと言って知っている人はあまりいないかもしれませんが、現代を代表するアメリカの作曲家で、代表作には、マイクをつけた弦楽四重奏のための「ブラック・エンジェルズ」という曲があって、この曲に触発されてクロノス・カルテットが結成されたというのは有名な話です。無伴奏チェロのためのソナタもあり、チェリストにとってのスタンダードになりつつあります。 それで、今回せっかくそのクラムご本人がブルーミントンに来られるということで、僕らNMEのコンサートでもクラム氏の作品を取り上げ、演奏することになりました。 そして、僕が演奏したのは「ドリーム・シークエンス(Dream Sequence)」という曲で、演奏者はピアノ、ヴァイオリン、チェロ、パーカッションの4人に加えて、舞台裏に2人のグラス・ハーモニカ(ワイングラスに水を入れて、グラスのふちを指でこすって音を出す)という、いかにも変わった作品。しかも、楽譜がまるで何かの絵か幾何学模様みたいで、大きさも普通の楽譜の4倍! 五線譜の断片が円形に並んでいて楽譜を時計回りに追っていくという、それはそれはなんとも不思議な体験でございました(アルバムに写真掲載)。最初に楽譜を見たときは文字通り「目が点」になったけど、実際にやってみると、意外とシンプルに構成されているし、しかもグラス・ハーモニカの美しい響きが漂う中で4人で即興的に演奏するというこの曲は、とても耳に心地の良いきれいな曲でした。〜続く〜 |
★2004/09/28 Tue 近況つれづれ。 |
日本でのエレノアトリオのコンサートなどで忙しかった日々から離れて、はや1ヶ月か過ぎました。 ここブルーミントンは、すっかり秋の気配が漂っています。近頃は長袖のシャツを着て、その上にGジャンなんかを羽織って学校に行っています。昼間は今でも結構暑くなるんですが、夜は涼しく、気温の変化の激しさは相変わらずです。 新学期も始まり、僕は元気に練習にレッスンに励んでいます。7月に80歳になられたシュタルケル先生もとってもお元気で、早速レッスンやマスタークラスでお世話になっています。今年は、New Music Ensemble(現代音楽専門の小編成のオケ)に入り(入れられ)ました。弦楽器は弦楽四重奏+ベースだけ。ってことはもちろんチェロは僕だけで、なかなか責任感を感じて弾いています。現代曲は、その曲が何を言いたいのかを掴むまでが大変で、???な曲もたくさんあります。すべての曲に共感は正直出来ませんが、なかなか面白い曲もあって、それなりに楽しんでいます。 最近は、大物のコンサートも3つありました。まずピアノのピーター・ゼルキンが来て、学生オケとモーツァルトのコンチェルトを弾き、その3日後には学校のヴァイオリンの教授であるミリアム・フリード先生とその息子ジョナサン・ビスのリサイタルがあり、そしてその次の日にはなんとヴァイオリンのパールマンが来て、リサイタルをしました。パールマンはなんといっても、彼の甘いヴィヴラートとグリッサンドに魅了されたし、今NYで売れっ子になってきている若いピアニストのビスくんは、とても純粋で美しいモーツァルトを聞かせてくれました。ゼルキンは、、、よく分かんなかった。ま、こんな田舎町でも、それなりの刺激があるのは、さすが巨大な大学だなあと思いました。 |
★2004/07/23 Fri 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『My リサイタル』(つづき) |
<つづき>ところで、ホールの舞台の上で、しかも本番中に「あぁ、こういうことだったのか」と悟る事がたま〜〜〜にあります。そして、僕のリサイタル中にも、ベートーヴェンの5番のソナタの2楽章を弾いていたときに、それまでのレッスンで先生がおっしゃっていたことの意味が、「感覚として」はっきり感じられた一瞬がありました。そういうことが起こるのはめったにないことで、そんな時は、研ぎ澄まされた集中力・開かれた耳・高揚感と冷静さ・ホールの雰囲気・体調・運、などが、きっとバランス良く上手く働いていたんだと思います。ヨーヨー・マの公開レッスンでバッハを弾いた時にもその感覚を感じました。そのような、ある一瞬の内に感じて掴んだものというのは、もちろん一生の財産だと思うのですが、せっかく掴んでもその時だけで終ってしまっては意味が無いので、それがいつでも感じられて、そして音に出せるように、腕に磨きをかけ続けなければいけないと思います。が、それがなかなか・・・(――;。 考えてみたら、僕にとってはこれが初ソロリサイタル。今まで過去にソロで弾く機会があっても、人とのアンサンブルが好きだからとか何とか言って、ソロから逃れ続けた結果です(苦笑)。でも今回、リサイタルをやらせて頂いて、とてもとても良い経験になりました。責任は重いけど、その分やり甲斐も大きくて、充実感も一段と大きかった。やって良かった〜。 |
★2004/07/23 Fri 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『My リサイタル』 |
さてさて、やっと僕自身のリサイタルについて書くところまで来ました(ふ〜)。 学生にとって、卒業のためにソロリサイタルをやらなきゃいけないというのは、とても良い制度だと思います。芸大の卒業演奏(兼試験)は、同じ楽器を全員一緒にしてしまって、しかも一人20分。つまり、例えばチェロが9人いたら、3時間で全員終ってしまう。これはやはりちょっとケチな感じがします。それに比べてIUは、3年生で既に初リサイタルをするのです(60分以内)。リサイタルをするということはつまり、、、自分のためだけにホールが予約されていて、チラシが刷られて、先生やお客さんが客席にいて、最初から最後まで自分の責任でやる、ということ。こういう場を3年生から踏めるなんて、いい環境だなぁ、、と思うのです。 そして、僕のリサイタルは4月22日(木)の8:30から、学内のリサイタルホールで行われました。ピアノはいつものことながら鳥羽亜矢子さん。リサイタルをするための試験では、記憶も飛んでしっちゃかめっちゃか弾いてしまったので、ある種のリベンジも兼ねての本番。協奏曲(カバレフスキーの1番)、無伴奏曲(黛敏郎のBUNRAKU)、ピアノとのソナタ(ベートーヴェンの5番)と、作品のタイプも作曲された時代もまったく違うものを揃えました。出来は・・・まぁ無事終りました。お客さんもたくさん来てくれて、客席に温かい雰囲気があり、とても助けられました。<つづく> |
★2004/06/16 Wed 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『嬉しかったこと・そのA(つづき)』 |
<つづき>そして、オーディション合格から3日後、彼女のリサイタルがありました。 シュタルケルクラスのチーフアシスタントピアニストである彼女は、人との共演では百戦錬磨ですが、ソロリサイタルは今回が始めて。いつもは共演者と2人で(あるいは3人で)音楽を創り上げているわけですが、今回はピアノ一台だけ。暗譜での演奏も久々ということで緊張していた彼女ですが、彼女特有のクリアな美音が今回のプログラムに見事ハマって、とても素晴らしいリサイタルでした。 いつも彼女の演奏をしょっちゅう聞いている僕ですが、今回は客席にいてマジ感動してしまいました。彼女がここでの生活から得たもの、そしてシュタルケル&練木先生から得たものが、見事に反映されていたと思います。ちなみに、リサイタルには練木先生はもちろんですが、シュタルケル、ウィノルド、堤の3人のチェロ科教授陣もそれぞれのご好意で聴きにいらっしゃっていて、亜矢ちゃんの人柄や人気と、チェロ科への貢献度(笑)が反映されていると思いました。もちろんたくさんの友達も聴きに来ていて、70人を越すお客さんで大盛況でした(通常、生徒のリサイタルのお客さんは20人くらい)。 ソロリサイタルはこれが始めてということですが、ADになったらリサイタルもたくさんこなさなきゃいけないし、彼女もこれからはソロをもっと人前で弾いていきたいと言っています。いつか、日本の皆さんにも彼女のソロを聞いてもらいたいなぁと、客席でしみじみ思ったひと時でした。 |
★2004/06/16 Wed 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『嬉しかったこと・その@』 |
3月の頭には、すごく嬉しかった事がありました。 ピアノの鳥羽亜矢子ちゃんが、3月3日に我らがインディアナ大学(IU)のアーティストディプロマコースの試験に見事合格!、そして6日にはパフォーマーディプロマコースの修了リサイタルをしました。 IUには、2種類のディプロマコース(学科よりも実技を中心としてやる演奏集中コース)があり、パフォーマーディプロマ(PD)とアーティストディプロマ(AD)と呼ばれていて、僕も亜矢ちゃんもPDの学生としてここで勉強していました。PDと違って、ADというのは学内の最高レベルのプログラムで、学校の規定によると「将来プロの演奏家になるために学び、国際コンクールに通用するレベル」ということになっています。PDは卒業に必要なリサイタルは1回ですが、ADの場合はソロ・室内楽・コンチェルトなどを計4回やることが必修となっています。で、亜矢ちゃんがそのADのオーディション(日本で言うところの入学試験)に合格しました。近年特に試験の制度が変わって、ADに受かるのがとても難しくなっているだけに、この合格は快挙です。 今回ADに受かったのは、彼女と韓国人の天才ハープ少女(15歳)の二人だけでした。最近ピアノで受かった人ほとんどいないと聞いていたので、この快挙に練木先生、シュタルケル先生を始めとする彼女の諸先生方、たくさんの友人・知人が祝福★ <次につづく> |
★2004/06/16 Wed 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『新曲を弾くということ・そのA(つづき)』 |
<つづき>その後も、何人かの作曲科の学生(主に博士課程)の新曲初演をしましたが、その演奏体験を通して思ったことは、作曲という作業は本当に大変だということ。 彼らの仕事というのは、(僕ら演奏家と違って)自分が欲しい音を自分で出すのではなく、それを楽譜に込めること。僕ら演奏家は、彼らが楽譜に込めたものから、試行錯誤して僕らなりのものを創っていくわけですが、一体どれだけの音が、本当に彼らが求めたものになっているのか。僕らが自分なりにどれだけ上手く弾いたとしても、実は作曲者は全然違うつもりで書いていたりしたら、、、。果たしてそれは作曲者の書き方の問題か、それとも演奏家の解釈の問題なのか。でもそれって、僕らが普段ベートーヴェンなどのクラシック作品と向き合っている時と、基本的には一緒かも。だから結局クラシック作品と新曲の違いって、作曲者に直接「あの〜この意味って〜?」と聞けるかどうかってことぐらい。ベートーヴェンに電話出来りゃ、思い悩む苦労はずいぶん減るんだけど(苦笑)。この戦いは永遠に続く。。。 |
★2004/06/16 Wed 遠い記憶を頼りに書きます〜2004年春学期編〜 『新曲を弾くということ・その@』 |
この学期は、不思議な縁で新曲―いわゆる作曲家が書いたばかりの曲―を演奏する機会が多かったですね。実は芸大時代にも、作曲科の学生から頼まれて出来立てホヤホヤの曲を初演するという事はよくあったんです(これは楽器専攻の学生ならみんなが通る道だと思います)。で、僕も10代の頃はよく弾き(弾かされ)ましたが、学年が上がるにつれて校内での立場も偉くなり(笑)、演奏の依頼をことごとく断っていました(だって、多くの人はめちゃくちゃ弾くのが難しいか、めちゃくちゃ難解な曲ばっかり書くんだもん←言い訳)。 それで、僕もIUではピカピカの2年目ということで(笑)、そういう依頼があれば受けてみようかなという気になっていました。そこでまず、作曲科に在籍している日本人の荻野睦史くんが僕のために無伴奏チェロ組曲を書いてくれたので、それを12月に作曲科の発表会で初演しました。僕の趣味であるエレキギターのテクニックや足のステップを取り入れ、かつ日本的なメロディーを持つ斬新な曲を書いてくれました。やっぱり超難しかったけどね。 そして2月には、作曲科のフロインド(Don Freund)教授の作品発表リサイタルで先生の弦楽四重奏曲を弾く機会に恵まれました。この曲、シューマンの可愛いピアノ組曲「パピヨン」の完全なパロディー。シューマンの原曲通りにパロディーが進み、途中に現代的な要素が上手く絡んで、とってもよく構成された聞いていても楽しく、でも決して軽くない大曲でした。実はこの曲、先生が28年も前に29歳の若さで書いたもの。そのことを考えると、これはスゴいアイディアと構成力だ!この曲を一緒に弾いたメンバーは、2人のドイツ人ヴァイオリニストとアメリカ人のヴィオリスト。4人でとても良い雰囲気でアンサンブルが出来たと思います。これは、僕の貴重な演奏体験になりました。同じコンサートには、堤&練木&ベイ(韓国人のヴァイオリンの教授)という恐れ多いトリオも出ていて、「先生方と同じ舞台を踏まして頂き、勉強させて頂きましたぁっ」って感じです。<次につづく> |
★2004/06/07 Mon 遠い記憶を頼りに書きます〜2003年秋学期編〜 |
超ご無沙汰の日記ですが、僕の留学2年目(9月〜4月)は去年にも増していろいろあって充実してたので、記憶を頼りに書いてみます。 まず前期(9月〜12月)。学生オーケストラについて。この学校には、大小合わせて7つ(!)のオケがあります(芸大は2つ、IUがいかに大きな学校かが分かるでしょ?)。4つのフルオケ、小編成の室内オケ、バロックオケ、ニューミュージックアンサンブル(現代音楽専門)などです。去年僕は室内オケで首席を弾いていて、数々の弦楽アンサンブルやミュージカル「ウェストサイド〜」などをやりました。この室内オケは人数も少なく、メンバーにも恵まれていて、とても楽しかった。さて今年度はと言うと、一番大きいオケの副首席になりました。フルオケになった分、レパートリーも大きな交響曲やオペラなどになり、指揮者もそれを得意とする人が振るので、これまた一味違ってなかなか楽しかった。それにしても、学校で一番良いフルオケと言われているこのオケの、弦学期の一列目に座っている8人を見てみると・・・韓国4人、ヨーロッパ系アメリカ2人、あとは日本人(僕ね)、イスラエル人。う〜ん、アジア人強し。頑張れアメリカ!で、このメンツがなかなか良くて、この8人の中でのアンサンブルやアイコンタクトは、毎度の楽しみでした。特に、天才ビオラ弾きのユヴァルくん(イスラエル)と既にスペインのプロオケでアシスタントコンサートマスターとして活躍していたミンジョンちゃん(韓国)は、いつも観ているだけでもためになりました。このオケでの前期の思い出と言えば、辛く楽しかったオペラ、ヴェルディ−の「ファルスタッフ」。IUの指揮科の教授でもあるエフロン(David Effron)先生が、厳しく面白く個性溢れる指揮者で、僕は毎回ビクビクしながらも(怒ると怖い)、常に演奏に充実感を感じることができました。また、主役のファルスタッフを演じたのは、声楽科教授のノーブル(Timothy Noble)先生。とても有名なバリトンオペラ歌手らしく、ファルスタッフがまたハマリ役で、僕の頭の上を飛んでゆく素晴らしい歌声とたまに飛び出すアドリブは、観客のハートをバッチリ掴んだ様で、毎回スタンディングオベーション。いつも思うのだけれど、オペラやミュージカルって僕らは弾いている限り舞台が見れないので、最後まで舞台上で何が起きているのか分からない。あ〜客席で見たかったな〜、と弾く度に思うのです。 |
★2003/11/01 Sat 〜続き〜 チェロの日 |
そして、コンサートの後、授賞式が行われました。これは、エヴァ・ヤンツァー女史が亡くなられた後に設立されたメモリアルセンターが、毎年数名の著名なチェリストやチェロ界に大きく貢献した人に対して彰(Award)を送るというもので、今回の受賞は、ジュリアードカルテットのクロスニック先生と、我がIUの教授、ウィノルド女史と堤先生でした(ちなみに、第1回の受賞は世界的チェリストのピエール・フルニエ氏)。 チェロアンサンブルのコンサートが終わったそのままで表彰式は始まり(僕ら生徒たちは全員舞台の上でチェロを持ったまま)、一人ずつ、学校の学部長から表彰状が手渡されました。コンチェルトを演奏したばかりの堤先生も壇上に上がり、表彰状と先生のプロフィールが学部長によって読み上げられ、そして、、、感極まった先生は涙を流し、言葉に詰まりながらも素晴らしいスピーチをされました。先生の演奏している姿、その演奏、そして涙を流してスピーチをしている姿を見て、先生と出会えて弟子になれたことを、心から感謝しました。僕は単純バカなので、「先生、一生付いて行きます!」と、言いたくなりました(言いませんでしたが)。いつまでも心に残る、感動的なひとときだったと思います。 それにしても、シュタルケル先生、堤先生、クロスニック先生などといった、超一流の芸術家の、芸術に対する態度や姿勢を目の当たりにすることができるなんて、僕はなんて良い環境にいるんだろうと改めて思いました。僕にあれほどの気持ちで音楽ができるか? それを考えると落ち込んでしまうこともありますが、とにかく今、目の前にあるやるべきことを、責任を持って取り組んでいこう。そんなことを思った、貴重な一日でした。 |
★2003/11/01 Sat チェロの日 〜Eva Janzer Memorial Center 25周年記念祭〜 |
もう随分前の話になってしまいますが、去る9月28日(日)、朝から晩までチェロ三昧の「チェロ祭りの日」が学校でありました。これは、毎年行われているイベントで、昔この学校でチェロの教授をしていた故エヴァ・ヤンツァー女史を記念しての、メモリアル祭です。そして今年、それが25周年を向かえることになり、今年もいろんなイベントがありました。そこで、とても貴重な経験をすることが出来たので書いてみたいと思います。 まず、今回のイベントで行われたのは、ゲストによるマスタークラス(公開レッスン)、我がIUのウィノルド教授によるレクチャー、チェロアンサンブルのコンサート、授賞式、などでした。今回のゲストは、ジュリアードカルテットのチェリスト、ジョエル・クロスニック氏(Joel Krosnick)。そして幸運なことに、僕がその彼のマスタークラスを受けさせて頂くことが出来ました(他に2人受けた)。演奏したのは「マルティヌー作曲:ロッシーニの主題による変奏曲」、ピアノは、今学期からシュタルケル先生のクラスのチーフアシスタントピアニストになった、おなじみ鳥羽亜矢子ちゃんです。クロスニック先生はとても熱心に、素敵な笑顔(刑事コロンボに似てた)を交えつつ教えて下さいました。その曲にあった音のイメージを明確に持ち、自分の音をそのイメージに近付けるためにできる限りのことをする。その先生の指導からは、長年ジュリアードカルテットで創り続けてきた先生自身の音楽に対する真摯な姿勢を感じることができました。 ところで、先生の左手の指、スゴかった。まるでチェロの弦を押さえるためにあるかのように、指先が平らになっていました。あの手からいくつもの名演が生まれているんですね。いやぁ〜スゴい手だった。 さてさて、その後行われたチェロアンサンブル(現役学生総勢70人!)のコンサートでは、チェロアンサンブル用にオーケストラのパートを書き替えたバージョンを使い、70人のチェロオーケストラの伴奏で、堤先生がボッケリーニのチェロコンチェルト(オリジナル版)を弾かれました。その演奏は、なんともつややかで軽く、そして深い。実は、僕はよく堤先生の演奏から神懸かったようなものを感じることがあるんですが、このときもそうでした。特にそれをステージの上で感じられたのは嬉しかった。先生、ブラヴォーです! 〜続く〜 |
★2003/08/11 Mon ありがとう。 |
明日日本を発ちます。今回の2ヶ月ちょいの日本滞在は、去年に比べるとなぜか長く感じたな〜。6月なんてもう随分前のことのような気がします。それだけ充実してたと思えばいいのかな? さて、7月24日のスパシーバ&8月1日のサマーコンサートは、ビックリするくらいたくさんの人に聴いて頂けました。ご来場の皆様、ありがとうございました! 結局シカゴでのコンサートから数えて4回ラフマニノフを弾いたわけだけど、その度にいつも新鮮で、何か新しいものに挑むようでした。悪く言えばなかなか曲を手中に収められないってことで、その辺は大きな反省点です(−−;約1週間の間に同じ曲を違うピアニストと弾くというのも初めての体験で、相手によって、ある部分では自分がどれほど柔軟に変われるか、そしてある部分では相手が変わろうが自分の芯を崩さない、そういったバランスの良い姿勢が必要だととても感じました。特にヴァイオリンの田野倉くん(たのやん)と共演できたことは、すっごい刺激をいっぱいもらえて良かったですね。もちろんいつも一緒に弾いている亜矢子ちゃんとも、弾く度に新しい発見があって、勉強させられます。学んで、反省して、吸収して、挑戦して、、、やることはいっぱい・・・。 明日からちょっと寄り道をして、そのままブルーミントンへ。また学生に戻って修行の日々です。今回の日本滞在で、たくさんの人たちに支えられていることを、いろんな場面で痛感しました。みなさん、ありがとうーーー。期待にちょっとでも添えられるよう、頑張ります。 P.S.二つのコンサートの間に『題名の無い音楽会』の収録に参加してきました(オケの一番後ろでゴシゴシ弾いてただけだけど)。放送は9月。2本録りで、一つはアグネス・チャン&女子十二楽房(?)の皆さん、もう一つは上妻宏光(三味線)&押尾コータロー(ギター)さんでした。押尾さんギター上手っ!! |
★2003/07/23 Wed 雑記〜初夏〜 |
前回が5月15日ということで、、、2ヶ月ぶりの日記m(__)m 結構あっという間の2ヶ月でした。日本に帰ってきて、やっぱりなんか日本は忙しいというか、、、。で、5月17日の在シカゴ日本総領事館でのサロンコンサートのことも含め、いろいろ思い出して書きたいと思っていたんですが、もうあまりにも前のことになってしまったし、そんな前じゃぁいくら不定期といっても「日記」にはならないのでやめます(苦笑)。 その後、6月3日に帰国して…それからの1ヶ月ちょっとの間にあった、印象に残っている事を順に羅列してみましょう。 サッカー日本代表V.S.パラグアイ代表戦観戦(埼玉スタジアム、中田最高!)。東京交響楽団(東響)のコンサートに参加(新潟まで行って僕の出演15分⇒ある意味印象的)。TAKUMAさんのライブ参加(新宿ライブハウスdoors)。練木繁夫先生with読売日響のブラームス/ピアノ協奏曲第2番鑑賞(ブラヴォー!)。太郎さん(葉加瀬)のライブ鑑賞(浦和)。東響による小中学生のための音楽教室に参加(実はオーケストラの音楽教室初体験、子供達の反応が結構面白かった)。倉敷玉島町「遊美工房」でのコンサート、ラフマニノフを弾く。故郷奈良に帰省(祖父母元気でなにより)。旧友と再会を祝して神戸で焼肉。奈良と池袋のキリスト教会でバッハなぞ演奏。新日本フィルのコンサートに参加(リムスキー=コルサコフのシェエラザードは良い曲だ〜)。友人達と箱根観光。などなど。 その他、たくさんの友人達と再会を祝して食べたり飲んだり・・・。 こうやって書き出してみると、結構いろいろやってますねぇ。で、最近はもっぱらコンサートのリハーサル。岡さんとのラフマニノフのソナタはもちろん、8月1日の鳥羽・田野倉・西谷トリオのリハも始まっております。明日はスパシーバコンサート。天気は悪くなるみたいだけど、それを吹き飛ばすような演奏が出来るよう頑張りたいと思います。 |
★2003/05/15 Thu 今年度終了! そしてパーティー!! その2 |
<続き> が!、、、中に入ってビックリ。やはりそこは「世界で数本の指に入る」と言われる人の家でした。家中に飾られたシュタルケル先生の肖像画、恐るべき数の賞状、なにげなくポンと置かれたグラミー賞のトロフィー、プールにサウナにビリヤード&ゲーム室、ホテルのようなダイニング、広い庭に大きな犬、など、どれもこれも「なんやこれ〜〜〜〜?!?!」ってな感じでした(亜矢子ちゃんは2回目だったので、僕は一人で驚いていた)。面白かったのは、一つ一つに「Starker」の文字が入っていたビリヤードの球。もらいものなんでしょうけど。。。 そして、巨匠自ら一人一人にお酒を作られたり(僕はスコッチを頂いた)、ディナーをご馳走になったり(数名のお手伝いさんによるビュッフェ形式・超美味しかった)、ビリヤードをやったり、プールに入ったり(僕は入らなかった)、ってな具合に素晴らしい時は進みました。途中で、先生が「一人ずつ今までで一番恥ずかしかった話をしなさい」とおっしゃって、みんな話さなきゃいけなくなったりして(僕はみんなに英語で説明するのでいっぱいいっぱいだったけど)、とても楽しいひと時の連続でした(先生は、むか〜しシカゴシンフォニーで弾いていた頃に、本番中に寝てしまった話をされました)。 しかし、考えてみたら、こんな小さな街に著名な音楽家がいっぱい住んでるんですよね。上に書いた3人の先生方のお宅は、どれも我が家から車で10分以内で行けちゃいます。湖にも15分で行けるし、、改めてすごい環境だなぁ〜と思いました。はい。 ま、そんなこんなで本年度も終わったわけで・・・今は今週末のシカゴでのコンサートに向けて練習中です。そのうち、報告記書きますね。もし無事に終わったらね・・・(苦笑)。 |
★2003/05/15 Thu 今年度終了! そしてパーティー!! |
すっかり春も深く・・・というか、先週は真夏のようでした。今週はちょっと寒くて、秋みたい。来週冬が来たらどうしよう・・・(笑)。 さて、先々週の5月2日(金)をもって、IUの今年度の授業が終わりました! 9月からの8ヶ月間、すごく忙しく、濃い日々だったなぁ〜。まぁとにもかくにも、無事終わって良かったです。特に、9月からは毎日愛車(日産MAXIMA 10歳)で通っていたので、運転にもこの街にも随分慣れたように思います。縦列駐車も上手くなったし♪ さて、授業が終わった5月2日前後、素晴らしい機会がありました。それは・・・「1年間お疲れさんクラスパーティー(仮)」です。しかも、、、練木先生宅(木)、堤先生宅(金)、シュタルケル先生宅(土)の3日続きでした。僕はもちろん堤クラスの生徒ですが、亜矢子ちゃんとデュオやトリオをやっているお陰で、練木先生にはとってもお世話になり、パーティーにも行かせて頂きました。また、シュタルケル先生のお宅には、クラスの生徒10数名とクラスのアシスタントピアニスト3名(亜矢子ちゃん含む)、そして「シュタルケル門下じゃないけれど、わりとたくさんレッスンを受けてお世話になった人」である韓国人の女の子と僕の二人が、招待されました。 僕にとっては、堤&シュタルケル両先生のお宅にうかがうのは初めてだったので、カメラを握り締め(笑)、ウキウキして行きました。あ、もちろんゴージャスな練木邸でのパーティーも楽しみました(ピアノの学生ばっかりで、ちょっと浮いてたかもしらんけど)。で、堤先生のお宅は静かな森の中にあり、ゴージャスではないけれど品の良い素敵なお宅でした。そこで、食べて飲んで、先生の楽しい音楽の裏話などを聞き、楽しく過ごしました。ネコちゃんかわいかった。 そしてそして、世界の巨匠シュタルケル先生のお宅は、、、閑静な住宅地にあり、高い木に覆われた煉瓦造りの素敵なお宅でした。これまた品の良い家で、ブルーミントンでたまに見られる、お城のようなゴージャスなものとは随分違いました。なんて言うか・・・先生らしいなと思いました。<続く> |
★2003/04/21 Mon West Side Story〜♪ |
チャッチャッッチャッ、チャッチャチャッチャッ、チャッチャッチャッチャッ!「マンボ!!!」 でおなじみのウェスト・サイド・ストーリー。他にも「トゥナイト」や「アメリカ」などであまりにも有名なアメリカのミュージカルです。話はいわば「ロミオとジュリエット」のニューヨークギャング版、そして音楽はかのレナード・バーンスタインです。 そう、僕はこの数週間、ずっとこれに追われていました。僕が入っている学生オケが、ウェスト〜を担当することになって、3月中旬からずっとこの練習が続いていました。そして、昨日(土)が最終日。先週の土日、そしてこの土日と、4回公演で、チケットはすべて完売。ブルーミントン中の人が観に来たんではないかというほどの盛況振りでした(ちょっと大げさ、でもチケットなくて観れない人がいっぱいいた)。僕は一応首席チェロ(チェロ科の中では歳いってるし)だったので、ちょいちょいとソロがあり、それ以外にも楽しいメロディーがいっぱいで、なかなか弾き応えがありました(全114ページ)。でも、何よりも嬉しかったのは、「これぞアメリカ!」という作品を、アメリカで、アメリカ人に混じって体験できたこと。やはり英語だと音楽に見事にハマるということも良く分かりました(ほとんど理解できてないけど)。ゲスト指揮者のMichael Barrettさんは、昔バーンスタインのアシスタントだったらしく、腰を振り、体中を使って、ウェスト〜の世界を表現してくれました。10分も棒を振ると、すぐ汗が滝のように流れ出ていて(身体細いのに)、常にものすごいエネルギーをぶつけてました。とにかく、毎日キツかったけど、やりがいがあって楽しかった。・・・でもやっぱりちゃんと客席で見たかった。。。オケピットからじゃ、役者の顔がたまに見えるだけ。。。 ところでミュージカルといえば、3年程前、劇団四季「李香蘭」で弾いていた時の事を思い出しました。あの時も肝心なシーンがいつも見えず、ドライアイスや紙吹雪が毎回上から振ってきて、避けながら弾いたりしたもんだ。。。そう言えば、あれは20回以上弾いたな〜。毎日四季劇場に通って。懐かしい・・・ |
★2003/04/10 Thu 2003年始動!・・・の前に・・・・・2002年秋学期の総括(遅すぎ)その2〜Mr.Tのいない日々〜 |
〜続き〜 で、その間のレッスンはどうなったかと言うと、堤先生の代役として4ヶ月の間にアメリカの他の大学やドイツから4人のゲストの先生方が来て、レッスンをして下さいました。ということで、我々堤クラス10数人の生徒達は、その期間、いろんなタイプのレッスンを受け、いろんな事を学ぶ事ができました。なかでもIU出身の有名なソロチェリスト、ゲイリー・ホフマン氏のレッスンと音色は、演奏に対する僕自身の甘さを痛感させてくれたものでした。それ以外にも、(見ただけだけど)エマーソンカルテットのデビッド・フィンケル氏(カルテットのコンサート、本当に素晴らしかった)やクリーブランドカルテットのポール・カッツ氏、そしてヨーヨーとの共演でもお馴染みのパメラ・フランクさんなどのマスタークラスもあって、良い刺激をいっぱい受けました。 しか〜し!、何よりも僕にとって大きかったのは、シュタルケル先生のレッスン&マスタークラスをたくさん受けられた事。 秋学期は、ピアノの亜矢子ちゃんと、デュオ(チェロソナタ)をいっぱいやったので、シュタルケルクラスのアシスタントピアニストである彼女に付いて行く形で、チェロソナタをたくさん先生に聞いて頂きました(シュタルケルクラスのマスタークラスでも3回弾いた)。そこから学んだことは、あまりに多く、大きく深いので、ここには書かず、僕の頭の中に留めておきます(いじわる)。レッスンの中で、先生はいろんな曲をたくさん弾いて下さいました(僕の演奏がしょぼいからなんだけど)。現在78歳のチェロの大巨匠の演奏とその音色、いつまでも心に残るでしょう、、、というか忘れられない(笑)。先生には感謝×100です。 その他、学校生活も面白くなって来て、オーケストラや室内楽もやっています。秋学期に入っていた学生オケは、ぐちゃぐちゃだった(笑)。日本では、芸大の学部卒業以来長い間プロオケのエキストラしかやってなかったので、これは懐かしい驚きでした(苦笑)。そういえば、11月には、亜矢子ちゃんとデュオで国際室内楽コンクールを受けに、フィレンツェまで行きました。結果は残せなかったけど、海外でいろんな国の参加者に混じっての挑戦は、いろいろな事を考えさせられる非常に良い経験になりました。フィレンツェの様な素敵な街に、10日近くもいられて嬉しかったし(イタリア料理最高)♪ 以上、超強引な総括でした。ではまた。 |
★2003/04/10 Thu 2003年始動!・・・の前に・・・・・2002年秋学期の総括(遅すぎ)〜Mr.Tのいない日々〜 |
え〜と、、、昨年の8月以来のアップです。半年以上もほったらかしちゃって、、、本当〜〜に申し訳ございません(平謝り)。果たしてこの日記、まだ皆さんに読んでもらえるでしょうか? こんなに書かなかったのは、もちろん忙しいのもあったけど、何となく「何か書けるような出来事が無いと書けない」なんて思っちゃっていて、「今度のあれが終わったら書こう」、、な〜んて思っている間に、結局書くのが億劫になっていってしまって・・・でも、これからは些細なしょーもない事でも、とにかく書いてアップしていきたいと思っています。 ・・・果たして出来るかな?・・・ さて、この半年間、あんなことからそんなこと、そしてこんなことまで(なんじゃそりゃ?笑)いろいろありましたが、忙しくしているうちに、気が付いたらブルーミントンに来て1年が過ぎていました。ここIU(インディアナ大学)での日々は、芸大時代とは比べものにならないほど忙しく、ロクにどこかに遊びに出かけたりも出来ない有り様ですが、すごく「学生してるな〜」という実感があります。もちろん今はすごく充実している毎日ですが、去年の9月から12月までの秋学期もいろんな事があって、すごく充実していました。というわけで、今日はそれを少し振り返ってみたいと思います。 まず、僕にとっての大問題は、我が師匠Mr.Tこと堤先生が、秋学期丸々の休暇を取られたこと。アメリカの大学(だけじゃないかも)には、サバティカル(sabbatical=直訳すると安息日)という制度があって、先生方は何期間かぶっ通しで教えると、1学期あるいは1年間の休みが取れるんです。それで先生がお休みに入られ、、、僕はまったく期待して無かった堤先生無しの1学期を過ごすことになりました。〜次に続く〜 |
★2002/08/08 Thu あっという間に2ヶ月過ぎて・・・ |
ブルーミントンに戻って参りました。 日本での二ヶ月間、予想外にいろんな演奏機会に恵まれ、とても充実した日々を送る事が出来ました。特に京都と六本木でのデュオコンサートは、僕にとってもとても貴重なひとときでした。どちらも会場満員のお客さんに恵まれ、自分達だけの単独コンサートという大きな緊張と責任の中での演奏は、とても勉強になりました。考えてみれば、ピアノと二人だけの単独コンサートって、始めてだったんですよね。。。コンサートに足を運んで下さったたくさんのみなさん、本当に感謝しています。どうもありがとうございました(暑いのに…)。 7月は、その2つのコンサート以外にも、いくつかのお仕事をさせてもらっちゃいました。26日の東京交響楽団の「題名のない音楽会」の収録は、随分早くにいただいた仕事で、それを引き受けた後で、27日の六本木コンサートの話が来たわけで・・・だから、「大事なコンサートの前日に何をやっとんじゃい」とは言わないで下さいね(笑)。今までいろんなオーケストラで弾かせて頂いてきましたが、なぜかいつも見事に「題名〜」には当たらず、今回が初体験でした。一度は参加してみたかったから嬉しかったけど(^^;「題名〜」は、一回のコンサートで2週分の収録をするわけですが、今回のはどちらもクラシックではないので、まぁなんというか、楽しんで気楽に弾いて来ました。それよりも生KONISHIKIを間近で見てるのが楽しかった。もうデカくって! ブルーミントンは、当たり前ですが東京とは別世界。広〜い大地と大空が広がっております。冬寒いくせにこの時期は結構暑くって、日本より日差しは強く湿気は少ないって感じでしょうか。ちなみに夜8時くらいまでは明るいです。日本とは時間の流れ方が全然違うこの場所で、またイチ学生に戻って音楽と英語のお勉強。頑張らなきゃ・・・。 |
★2002/07/12 Fri すっかり日本モード その2 |
えー字数が足らなかったので下の続きです。 7月6日の東京交響楽団のコンサートでの堤先生と竹澤さんのブラームスのコンチェルトは、ほんと〜にスゴかった!先生の本番を後ろから(しかも舞台から)見るのは初めてでしたが、先生の音色とその弾き様、、というか演奏家としての生き様に、思わず感動。。。しかーし!その最中、僕は伴奏を弾いていたわけで・・・本当は、感動などしてはいけないのです(笑)。自分の仕事に集中しなきゃ・・・お陰で、先生の音を聞き過ぎて、正直、何度か自分のパートを見失いそうになりました。ゴメンなさい(苦笑)。これからも、まだいくつかコンサートがあるし、、、練習頑張らなきゃ! さて、この帰国中に、いくつかの素晴らしいコンサートにも行くことが出来ました。ヨーヨー&サハロフさんの事は既に書いたので、、、まずは6月27日のサントリーホール・フェスティバルソロイスツのコンサート。これは、我が師匠堤先生&竹澤さん&豊嶋さんという豪華メンバーと、ヨーヨーのパートナー、エマニュエル=アックスとの共演ということで、全国各地で行かれた方も多いみたいですね♪ コンサートはもちろん素晴らしく、ものすごいレベルの方々の演奏が、時にはぶつかり合い、時には溶け合う、目の離せないものでした。そして、チェリストとして聞き逃せないのが、ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番の弟3楽章!楽章の出だしから長〜〜〜くて天国のように美し〜〜〜いチェロソロで始まります。堤先生のソロは、、、なんか音は柔らかくて美しいんだけれど、熱〜い魂のようなものがこもったスゴいものでした。ちなみに昔、この曲(特にソロのメロディ♪)が大好きな僕は、ヨーヨー&アックス&スターン&ラレードのこの曲のCDの3楽章のチェロソロばっかり聞いては、うっとりしてました(笑)。これはオススメ!天国のような美しさです。 そして、7月3日には、僕が今一番好き!なピアニスト、練木繁夫先生のコンサートを聞きに、JTアートホールに行きました。共演は、(堤先生は置いといて)僕が日本一(?)好きなあこがれのチェリスト、上村昇先生とヴァイオリンの藤原浜雄さんで、ベートーヴェンのピアノソロ、ヴァイオリン&チェロソナタ、ピアノトリオが演奏されました。チェロソナタはなんとスパシーバで僕が弾いた2番で、その綺麗さと楽しさに微妙に落ち込みました(笑)。いやぁ〜良いコンサートだった・・・ |
★2002/07/12 Fri すっかり日本モード |
えーー、なんだかんだ言って、いろいろとやること(&遊ぶこと&飲むこと)が多くて、気付いたら約1ヶ月・・・。大変失礼致しました。日本での生活も既に1ヶ月半が過ぎ、もうすっかり日本モードです(あかんがな・・・苦笑)。ワールドカップも終わったし、そろそろチェロに専念しないと! さて、この約1ヶ月間、まぁちょこちょことイロイロなことをやらせて頂きました。六本木のライブハウスでバンドの人たちとビートルズを演奏したり(演奏時間10分)、新日フィルの定期演奏会のエキストラ(要は団員さんの代わりに1回きりで呼ばれて、いかにも正団員かのような顔をしてオケに混じって弾くお仕事★)、東京交響楽団のエキストラ、ボーマンさんとの共演が楽しかったチャペルコンサート、そしてスパシーバコンサート。 スパシーバには、たくさんの皆さんにお越し頂いて、本当にどうもありがとうございました。特にMakiさん&Mikko、遠くからわざわざどーもです(無事帰れました?)。ほとんど満員の小さいホールでの演奏、とても気持ち良かった〜。緊張・・・はまぁ普段並みにはしてたけど、あがったりはしなかったかな?ただ、曲自体が、始まってからしばらく緊張感の要るものだったので、それが意外とあがって見えたかも?? あ、そう言えば、僕にとってはお客さんの雰囲気がちょっと静か過ぎて怖かった(笑)。僕が弾いたベートーヴェンは、基本的に楽しい曲だったので自分達はノって弾いていたのですが、客席は、、、「そこまで『し〜〜〜ん』としなくても・・・」と、ちょっと思っちゃったほど静かでした。アメリカでは、お客さんは演奏が終わったら口笛を吹いて盛り上げたり、演奏中でも何か面白いシーンがあれば声に出して笑ったりしてました。それに比べたら、日本は全体的にまだクラシックのコンサートには堅い感じがあるんでしょうね。だからこそ逆に、楽章の間の咳などはすごいモンですが(笑)。演奏中の多少の雑音は、(まぁ状況にもよるけど)弾いている方としてはそんなに気にはならないし(僕だけか?)・・・僕なんかは、あまりに客席に静かな緊張感が漂ってると、「あら?あんまり楽しんだりくだけて弾いちゃダメなのかな?」なんて思っちゃいます(^^; ちょっと大げさだけど。もともとコンサートは楽しむものだから、緊張しないで気楽に聞いて頂きたいと、Playerとしては思うのですが・・・まぁそれは出演者の方にも責任はあるし、、、う〜ん。 |
★2002/06/13 Thu ありがとうドッキリパーティー♪ |
フランス、アルゼンチンが予選敗退…う〜ん、何があるかが分からないのがサッカー(特にWorld Cup)とは言え、、、でもやはり、もう日本であのスター選手たちが見られないというのは残念です。こうなったらもう日本の活躍に期待しまくりです。明日勝って、決勝トーナメント進出できますように…。 さて、サッカー話は置いておいて(^^)、僕がアメリカで撮り貯めしておいた写真をアップして頂きました。今回の分には僕の解説も載せたので、状況がある程度伝わるかと思います。それで、今日は写真の中から、5月2日の「Mr.T(堤先生は生徒達の間でこう呼ばれている)ありがとうドッキリパーティー」の時のことを、書きたいと思います。 インディアナ大学の場合、4月いっぱいで年度はおしまいです。それで、堤クラスの生徒達で少しづつのお金を出し合い、先生に感謝の気持ちを込めてささやかなプレゼントをしようということになったのです。それで、先生にはナイショで、僕達生徒がプレゼント&ケーキを持って集まり(残念ながら半分弱の人が来られなかったけど)、突然先生のレッスン室に押しかけました。当の先生は、ある生徒をレッスンをするつもりで部屋で待っておられました。実は、その時レッスンの予定だったその生徒(ディヴィッドくん)こそが、このドッキリの発案者だったんです。それで、ディヴィッドが先生の部屋をノックし、(レッスンだと思っていた)先生がドアを中から開けた瞬間に、、、「Suprise〜〜!(ドッキリ〜〜!)」と言って乱入、、、(^^) 先生へのプレゼントは置時計。先生も喜んで下さって、満面の笑みでポーズを取って下さいました(写真参照)。そして、ディヴィッドらが用意したケーキには、「We love Mr.T!」の文字が! そんな粋な計らいも手伝って、とても和やかで楽しいひとときとなりました。ただ、あのケーキは僕には甘すぎた、、、砂糖多すぎ…うぐ。そして、記念写真を撮ってパーティーはお開き(写真参照)、短かったけれどステキな時間を過ごせました♪ 先生にはそれ以来その直後に一度だけお会いしましたが、それっきりで、、、昨日久々にテレビ「クラシック倶楽部」で画面越しの再会(笑)。先生のブリテン、、、いやぁ〜すごいですね〜。なんか後光が射して見えました(^^) 僕自身の演奏はと言えば、、、う〜ん、まだまだ。 |
★2002/06/09 Sun 芸術的な日々。 |
何がって、、、もちろんヨーヨーのコンサートと、ワールドカップです(^^; ワールドカップの開幕以来、毎日テレビの前にいる時間がエライ長くなってしまいました(笑)。ま、とんでもないスーパースター達が、次から次へと日本&韓国にやって来て、毎日のようにピッチに登場するとなれば、それも仕方の無い事で…(笑)。 そして、6月4日、日本の初戦、対ベルギー!皆さんは観ましたか?僕は・・・なんとなんと、埼玉スタジアムで生観戦して参りました!! サッカー大好きの僕ですが、実は生で試合を見たのはこれが初めて。初生観戦がワールドカップ、しかも日本代表の初戦とは、、、僕は幸せモノです(涙)。試合の内容&結果は皆さんも知っているかと思いますが、生で見たあの試合は、、、なんというか、青ユニフォームをまとった観客、グラウンドの芝生に映るベルギーの赤&日本の白のユニフォーム、そして選手達の動きとボールの流れ、、、そんなようなもの全てが美しくて、なんか90分間現実じゃないみたいでした(試合はちゃんと見てましたよ・笑)。すごくキレイで、アートみたいだったというか・・・。いやいや、凄いモノを見てもーた、、貴重な体験でした。大好きな中田のプレーも見れたし♪ そしてそして、6日のヨーヨー&サハロフさんのベートーヴェン。二人の演奏は、いろんな個性とアイデアに満ちていて、聞いていて(見ていて)とても楽しくなっちゃうようなものでした。特に、僕なんかじゃまず思い付かないような解釈が次から次へと飛び出し、思わずニヤニヤ笑ってしまいました。彼らの解釈が良いか悪いか、、、というか、好きか嫌いかは人それぞれでしょう。僕にとっては、ヨーヨーの斬新な解釈は、「お〜〜〜なるほど。そのアイデアいただき!」というものと、「それってアリ?う〜〜む。笑」というものとに大きく分かれました。すっごく細かいことなんですけどね(^^; そしてもちろん「神業や…」と驚愕したところもた〜〜〜くさんありました。とにかく楽しいコンサートでした。 さて、12日の朝8:05から、ようやく(4ヶ月延期…)BS2で「クラシック倶楽部」が放送になります。BSを家で見られる皆さんは、朝のコーヒーでも飲みながら御覧下さいませ♪ P.S.ワールドカップのチケットを譲って下さった#$%さん。本当に貴重なモノをありがとうございました。一生の思い出になりました。この場を借りてお礼申し上げます。 |
★2002/05/30 Thu ただいま♪ |
無事に帰って来ました(^^; 日本は蒸し暑いですね〜。でも、実はブルーミントンも真夏になると日本に負けないくらいムシムシするそうなので、そうなる前に逃げてきました♪ 約5ヶ月ぶりの日本は、、、やはりなんでも小さく見えます。昨日も、ちょいと入ったレストランで、ジュースのコップの小ささにビックリしてしまいました(笑)。「アメリカだったらこの4倍の量はあるな…」なんて思ったりして、、、こんなところにもカルチャーショックがあったんですね。 さて、日本はWorldCup一色になっていて、サッカー好きとしてはたまらない日々となっていますが、WCはヨーヨーや3大テノールまでも呼んでしまうんですね♪ 僕も、ありがたいことにヨーヨーのコンサートに行かせていただきます(^^) 6月末のスパシーバコンサートで、僕はベートーヴェンの2番のチェロソナタを弾かせていただくわけですが、今回ヨーヨーも弾くんですね。全然知りませんでした。かぶったぁ〜〜〜!!。ま、チェロはレパートリーの少ない楽器ですから、こんな事もよくあることなんでしょう。僕は僕の演奏をするだけ、です。でもやっぱりヨーヨーの演奏を聞くとヘコむかなぁ〜〜どうだろう・・・(苦笑)。 日本に帰ってきて、アメリカにいたときよりもパソコンに触れる時間が増えると思うので、アメリカでの体験談や写真などいろいろとアップしていきたいと思っています。それでは、Have a nice day! |
★2002/05/18 Sat 帰国します。 |
またまたお久しぶりです(__) 個人的なことですが、4月の終わりに引っ越しをしました。以前は学校の構内のアパートに住んでいたのですが(構内のアパート&寮だけで10000人くらいは住める)、構外の静かなアパートに移りました♪ 今のアパートはきれいで広く(前も広かったけど)、緑の木々が生い茂っている上に、プールやテニスコートまで付いています。それで東京のワンルームの半額くらい、日本では信じられないですね。それで、最近まで自宅でインターネットが出来なかったもので…またまたご無沙汰になっちゃいました。言い訳でした(^^; それで突然ですが…今月末に帰国します。学校が夏休みに入ったので。約半年振りの帰国、きっと日本の社会のスピードの速さに着いて行けないんだろうなぁ。正に僕は「浦島太郎状態」になると思われます。 さて、僕にとっての今回の帰国の目玉は、なんと言ってもワールドカップです(自分のコンサートじゃないんかいっ!)。ハッキリ言って、サッカー大好きです★ ワールドカップが日本であるときに日本にいないなんて…ってなわけでの帰国です(それだけじゃないけど)。 日本にいたときには、音楽家サッカー大会のようなものに参加もしました。一番楽しかったのは「ウィーンフィルV.S.読売日本交響楽団」の試合です。当時、僕は読響のエキストラ・プレイヤーをしていたので、サッカーでもエキストラで呼ばれ(笑)、コンサートマスターの○○○さんがバテた時点で代わりに入りました(笑)。それにしても、ウィーンフィルの面々、デカくて上手かった。まるで叶いませんでした。出来ることなら、サッカー日本代表にヨーロッパのチームを破ってもらいたいものです♪ 中田頑張れ〜! そうそう、帰国中にコンサートもあります(サッカーに熱くなって、書き忘れるところでした・苦笑)。こっちで勉強したベートーヴェンのチェロソナタNo.2を弾きます。もしご都合よろしければおいでくださいませ! それでは、Ciao! |
★2002/04/24 Wed デビュー(大袈裟な、、、)その2 |
ちなみに、シュタルケルは堤先生の先生。堤先生は19歳の時にシュタルケルに習うために、ここIUに留学されました。それから約40年後、今僕がここにいるってことで、、、歴史を感じますね〜。。。 前置きが長くなりました。要するに(強引なまとめ方)、昨日シュタルケルの初レッスンを受けたんです。いや〜、ビックリしたー。だって、僕は彼の弟子でもないのに、突然チェロの友達から「シュタルケル先生のレッスンに1時間穴が空いちゃったから、まきとレッスン受けない?」ってレッスンの10分前に言われたから(笑)。で、訳も分からずチェロ持っていって「初めまして、僕の名前は、、」なんつって、受けて来ちゃいました。いつもレッスンやマスタークラスを見学には行ってたのですが、挨拶すらしたことなかったんですけどねー。とにかく突然降って湧いたような素晴らしいチャンスをいただきました。「レッスン受けない?」って言われてから10分後にはもう弾いていたので、緊張してる暇もなく、、、その結果、とても楽しい時間を過ごせちゃいました(そういえば、ヨーヨーのマスタークラスのときも2週間前に突然聞かされて、ちゃんと弾ける曲がなくて焦ったっけ、、、)。幸運は突然やってくるというのは本当みたいですね☆ 昨日は、それ以外に、シュタルケル以外の3人の先生のクラスの合同マスタークラスがあって、そこでも演奏させていただきました。初めてここの学生たちの前で演奏しました。どうだったかな?。。。 というわけで、昨日は僕にとっての「初マスタークラス(人前演奏)」&「初シュタルケルレッスン」という、大きな一日でした。これをきっかけに、どんどんこの学校に深入りしていけたらいいな。。。 でも英語が、、、(ーー; |
★2002/04/24 Wed デビュー(大袈裟な、、、) |
はい、3度目の日記です♪ 前回の日記で「とうとう春が来たようです」と書きましたが、、、来ませんでした(ーー; なんとなんと、あの数日後、突然夏が来てしまいました(なんでやねん)。平均朝3℃&昼15℃の次の週に、突然朝20℃&昼30℃の日々がやってきて、、、もう訳が分かりません(笑)。春服の出番はなく、突然Tシャツにサンダル、ってな感じです。これは、日本の7月くらいの陽気なんじゃないかな?、、、とにかく夏です。でも、また突然冬になるかもしれないので、油断は禁物ですが、、、なんか疑い深い人になりそう、、、(笑)。 さて、昨日(22日)はチェロ勉強中の僕にとって、とても大きな一日となりました。あ、その前に、ここのチェロ事情についてお話しておきましょう。 ここIndiana University(略してIU)には、4人のチェロの先生がいます。僕の先生である堤剛先生、ドイツ人のおばーちゃんウィノルド先生、若いプエルトリコ人のコロン先生、そしてそして、現在77歳の「チェロの神様」、世界のヤーノシュ、シュタルケル先生です。みなさんはシュタルケル(というのは実は日本語読みで、外国人には通じません。実際にはシュターカーと読みます)を御存じですか? まさにこの50年間、世界のトップを走り続けている巨匠で、日本にも2年に一度くらいの割合でコンサートに来られています。去年は、テロの影響で来日が遅れ、N響とのエルガーのコンチェルトの共演がキャンセルになってしまったのですが、リサイタルやマスタークラスにはちゃんと来日され、僕も何度か足を運びました。新国立歌劇場でのテロの追悼コンサートにも急遽出演され、バッハの1番を弾いた模様が衛生で放送されてました。見た人もいたのでは? 今ではどんどん若いチェロ奏者が世界中から湧き出るように登場していますが、ちょっと前までは、チェロと言えば(カザルスは置いといて)シュタルケル、ロストロポーヴィチ、若いヨーヨーマって感じだったそうです。ヨーヨーのCDで最近より広がって来たコダーイの無伴奏ソナタは、シュタルケルが演奏&録音したことで世に出た作品です。彼もコダーイもハンガリー人で、シュタルケルはコダーイ本人からいろいろと指導を受けたようなので、まぁ彼の演奏が「原本」みたいになってますが、、、今ではヨーヨーを始めいろんな人が良い演奏を出してますね。僕はどっちも好きです♪ 続く。。 |
★2002/04/03 Wed 熱く燃えた夜、、、 |
みなさん、お久しぶりです。この日記も長らくアップすることが出来ず、いつの間にやら4月になってしまいました(ーー)。もうちょっとマメになんか書かなきゃな〜、、、。 さて、昨日ここブルーミントンは大変なことになっていました。インディアナ大学(Indiana University略してIU)のバスケチームが、10数年ぶりに全米チャンピオンシップ(アトランタで)の決勝まで進んだんです! そして昨晩が決勝戦でした。日本で言うところの甲子園決勝みたいな感じでしょうか。あ、でも大学だし、全米なので、規模はもっと大きいかな? ここは大学しか無いような田舎町なので、その大学バスケチームの快挙によって、町全体が狂ったように過熱していました。準決勝に勝った時は、試合中は(みんなテレビ観戦してるので)表にはほとんど人もいないのに、試合に勝った瞬間に、次から次へと人が外に出てきて、キャンパスやダウンタウンに集まり、絶叫したり、走る車に立って旗を振ったり、何かを燃やしたり、、、と、なかなかクレイジーなお祭り騒ぎとなりました♪ 昨日の試合前も、町中から「Hoo-!」という絶叫が聞こえてきて、「さぁいよいよ!」という最高の雰囲気だったのですが、、、、、、残念、負けてしまいました(ーー) それで、今日はなんだか町中がガッカリしている感じです。僕も昨晩は音楽の友達と一緒に我が家でテレビ観戦しました。僕もなんか今日は疲れが残っている感じです(笑)。 そんな沈んだ気分とは裏腹に、とうとうここにも春がやってきたようです☆ 今日はポカポカ日和で、キャンパスのチューリップのつぼみも開き始めました。リス君達も活発に走り回っています♪ 先週まで朝はマイナスだったし、3月の初めには−16℃まで下がりました。あの顔がチクチク痛むような寒さとも、ようやくお別れできそうです(^^) なんか、全然音楽の話じゃなかったですね(笑)。もちろん、チェロのほうも頑張って修行しています。その話は次回、、、。 それではまた。 |
★2002/02/20 Wed ご挨拶♪ |
みなさま、こんにちは。初めましての方、初めまして(^^; チェロを弾いています、にしやまきとと申します。 え〜と、、、まさか自分のHPが出来るなんて思いもしていなかったのでとてもビックリしていますが、このHPを作ってくださった管理人様を始め、たくさんの方に応援していただいていることを改めて知り、まだ少々動揺していますが(笑)、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございます。 このHPの管理人様たちとは、僕がまだ芸大の学生だった2000年の秋に、芸大で行われたヨーヨー・マのレクチャー&公開レッスンを通して知り合いました。幸運にも、その時に僕は親友と共に彼のレッスンを受講できたわけですが、その時の、興奮と感動が入り乱れた楽しいひとときは、今でも僕がチェロを弾く上での大きな力になっています。僕は別に特別なヤツなどではなく、たまたまその時彼のレッスンを受講した一学生に過ぎないのですが、あの日以来、ここの管理人様を始めとする多くの方々に応援していただいてきました。これはもう、ハッキリ言ってヨーヨー・マのおかげと、僕が本当に幸運だったんだと思っています。感謝、感謝! さて、トップページにも書かれているように、僕は現在、アメリカ・インディアナ州のブルーミントンという田舎町でチェロの武者修行中です。日本での演奏活動を一旦打ち切り、また学生に戻って修行しているわけで、日本にいた時のように、コンサート情報のお知らせなどのネタを提供することは出来ませんが、ここでの生活や音楽&チェロについて、またアメリカで感じたことや料理レシピなど(これはウソです)、少しずつここに書いていきたいと思っています。まだまだ経験不足の若僧なので、奇妙な文章や理解不能な言葉などもあるかもしれません。おヒマな方のみ、肩の力を抜いて読んで下さいませ♪ …しかし、自分の応援HPなんて、恥かしくて何を書いて良いのか分からないんですが、、、ま、マイペースで書こうかな。とりあえずの第一報「ご挨拶」でした。 2月19日 ブルーミントンにて 西谷牧人 |